ヒデとマダムの問わず語り 〜好きにさせてよ〜

とあるアンダーグラウンドなバーのオーナー「ザマさん(ヒデ)」と70年代生まれの通称「マダム」が、アート中心に好き勝手語るバーチャルサロンです。よろしくどうぞ。

【マダムの備忘録】最近読んだ本

年明け、無性に読みたくなって手に取った
ヘッセの『デミアン』、
社会不適合者であったヘッセのファーストヴィジョンクエスト。
まま、火がついて、『知と愛』。
要はバランスだよね、と一言に纏めてしまえるのが現代人であるが、そればかりではない苦悩・あがき・救済に至るまでを読むことで、改めて己を省みる。

デミアン(新潮文庫)

デミアン(新潮文庫)


エロスの嗜みにと思いきや、自由への疾走伴奏曲であった『チャタレイ夫人の恋人』、相当にロックな人妻の軌跡。

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)


カザフスタン純愛文学の声名高い
『この世で一番美しい物語』(なぜこの邦訳にしたし…)。


一昨年初めて読んでその幻想度、エロティシズムのベクトル、喪失感、諸々の完璧具合に久々虜になった文学『リゲーア』再読。
なんと作者はルキノ・ヴィスコンティが撮った映画「山猫」の原作者であった、成る程ネ。

そのまま、ブックオフで目について買ったフランチェスコ・アルベローニの『エロティシズム』(表紙も気に入り期待して買ったのだが、これがまた驚くほど頭に入ってこない。
現在御蔵入り)

エロティシズム (中公文庫)

エロティシズム (中公文庫)


亭主購入後、塩漬け書籍だった赤塚不二夫対談集『これでいいのだ』。

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

特にタモリとの対話(二人の出会いから思い出の数々、ユーモアの共通認識など。
これを読んでから再度タモさんの白紙弔辞を読むと更に理解が深まるのであった。
続く柳美里女史との対話はストレスが溜まるるばかりなので飛ばすのがお約束)が面白く。

アメリカ文学の遅咲き主婦が書いた
『ハートブレイク・カフェ』(アメリカ人里離れた土地のカフェが舞台・女性主役・希望と再生というコンセプト、最後のアガり方、『バグダッド・カフェ』に何処と無く似ているが、帯に『読んだ人は必ずや癒やされる』との記述あり、否定出来ない故にこそばゆい、が、いかにもアメリカ的な、映画的な、素敵な物語)

ハートブレイク・カフェ (文春文庫)

ハートブレイク・カフェ (文春文庫)

ポーカーを勉強したくて買った『マーヴェリック』(ジョディー・フォスターメル・ギブソンで映画化の)、

風呂に浸かりながら読んだ椎名誠
『あやしい探検隊 北海道乱入』


『書を捨てよ、街に出よう』と、寺山修司は言うが、街に疲れた時に救いになるのはやはり一冊の本なのである、と思うのであった。